「添削くん」は、オンラインで添削学習を進めるシステムです。添削者と学習者が、ともにインターネットを介してレポートをやり取りすることにより、素早く、安全に、効果的に学習を進めることができます。また、インターネットにつながる環境があれば、いつでもどこでもレポート作成やレポート添削ができます。
通信制教育における学習者と添削者の紙ベースでのレポートのやりとりは、どうしても時間がかかります。学習者は、レポートを完成させた後、返信用の封筒に自分の宛名を書き、15円分の切手を貼り、学校の所定の場所に提出する、または、学校あての封筒を準備して郵送します。添削者は、添削後のレポートを、その日時などを記録した後、学習者が用意した封筒に封入し、郵送します。手間もかかるし、郵送によるタイムラグも大きくなります。
「添削くん」を利用すれば、学習者は、端末上でレポートを完成させた後、提出ボタンを押すだけで提出が完了します。添削者は、端末上で添削した後、返却ボタンを押すだけで返却できます。必要ならば、1日に何回も提出と返却を繰り返すことができます。また、学習者も添削者も、インターネットに繋がる環境があれば、場所を選ばずレポート作成や添削をすることができます。レポートの返却がある度に、学習者へはその旨のメールが配信され、レポートの提出が一定の量を超えるたびに、添削者へはその旨のメールが配信されます。
通信制における学習において、レポートが行方不明になったことはありませんか?学習者はレポートを提出したと主張するが、添削者の手元に届いていない、あるいは、学習者はレポートの返却がないというが、添削者の記録では返却済みである、などといった状況です。学習者の勘違いなのか、添削者のミスなのか、あるいは郵便事故なのか、明らかにできないことがあります。
「添削くん」を利用すれば、レポートの状態は双方から一目瞭然です。レポートが行方不明になることはありません。
「添削くん」は、ポートフォリオ機能を持っています。図5の表示欄ボタンにご注目ください。レポート再提出の折、学習者が前回、前々回の回答を消してしまっても、遡って過去の回答を表示することができます。また、それぞれの段階の添削を、すべて表示したり非表示にしたりすることができます。この機能により、学習者は以前の自分の思考過程を振り返り、自分の成長のメタ認知を得ることができます。添削者は、学習者の思考過程を追うことで、学習者に必要なアドバイスを的確に与えることができます。
メールアドレスを登録(図6)しておくことにより、学習者には、レポートが返却されるたびにその旨のメールが配信されます。添削者には、1通目のレポートの提出があったときにその旨のメールが配信され、その後は未添削のレポートが10通増えるごとにメールが配信されます。
添削画面をダブルクリックすると、キーボード入力のための枠が開き(図7)、キーボードを使用して添削アドバイスを書きこむことができます。
レポート学習を進めるそれぞれの段階において、添削者、学習者ともに、回答や添削結果を含めたレポートをいつでもPDF形式のファイルとしてダウンロードすることができます(図8)。この機能を利用して学習過程やその成果物をダウンロードしておけば、学習が終了し、システムがリセットされた後も、学習過程や結果を参照することができます。
学習者および添削者双方に、HTML5に対応したブラウザを搭載し、ペン入力が可能なタブレットまたはコンピュータが必要です。iphone、androidなどのスマートフォンにも対応していますが、表示画面が狭いため、やや不向きです。10インチ以上の画面をもつタブレット端末を推奨します。
ペン入力を基本としたシステムになっていますので、指先またはマウスで操作、回答入力および添削することも可能ではありますが、それらは字を書くことに不向きなため、スタイラスペン(タッチペン)を使用する方がより便利です。ペン先が太いものは、字を書くのにはあまり向かないので、導電式のものならペン先に透明なディスクがついたものがお勧めです。できることなら、端末固有のものか、静電容量方式のペン先が細いものを推奨します。